変身譚

HENSHIN-TAN

Transfiguration α
-for Flute & Violin-

（2008）

[ca 18 min.]

オウィディウスの「変身物語」をはじめ、
ギリシャ＝ローマ神話に登場する、
ナルキッソス／エコーの伝説とその話型に触発された作品。

対称を成す七つの場面が、
遠心的・循環的に連鎖する、
音による転生と浄化の物語。

＊　＊　＊　＊　＊

フルートとヴァイオリンによるデュオ作品〈変身譚／変成譚〉は、
“変容 (Transfiguration)”を潜在的テーマとした一双の新作。
ギリシャ=ローマと日本の民間伝承・古典文学に現れる、
東西二様の男女一対の物語に触発されたものである。

男／女、火／水、谺／影、水仙／櫻花…

様々な次元で対の象徴性を帯びたこれら二作は、
それぞれ独立した作品であると同時に、
喩えば無限に互いを映し出す歪んだ合わせ鏡のように、
相互に参照・引用・註釈しあうディプティーク（二連画）でもある。

＊　＊　＊　＊　＊

[演奏記録]

2008年12月19日　神奈川県川崎市　川崎能楽堂　（Fl:ニコリーヌ・ピエルー　Vn:佐藤一紀）　
2009年1月26日　京都市　京都芸術センター講堂　（Fl:ニコリーヌ・ピエルー　Vn:佐藤一紀）