迦具夜
KAGUYA
四種のフルートと声を伴うハープに依る歌物語
uta-monogatari for 4 types of flute and harp with voice
(2019)
竹取物語に基づく十と五段
10&5 steps based on the tale of the bamboo cutter
一、
生ヒ立チ Oitachi
以、月唄i° tsukiuta
i°
二、妻問ヒ tsumadoi
呂、月唄ii° tsukiuta
ii°
三、佛ノ御石ノ鉢 hotoke
no mi-ishi no
hachi
四、蓬莱ノ玉ノ枝 hôrai
no tama no ye
五、火鼠ノ皮衣 hinezumi
no kawagoromo
六、龍ノ頸ノ玉 tatsu
no kubi no tama
七、燕ノ子安貝 tsubakurame
no koyasugai
波、月唄iii° tsukiuta
iii°
八、御狩ノ御幸 mikari
no miyuki
尓、月唄iV° tsukiuta
iv°
九、
天ノ羽衣 ama
no hagoromo
保、月唄V° tsukiuta
V°
十、不死ノ山 fuji
no yama
この作品は速海ちひろ氏の委嘱により2019年夏に作曲した。往古より「物語の出で来はじめの祖」(源氏物語)と評される竹取物語。単なる御伽噺と呼ぶにはあまりにも勿体ない、鋭い美意識と強かな批評精神が光るその原文に、四種のフルートと声を伴うハープを以て分け入り、垂仁帝記の実在の迦具夜比賣はじめ丹後風土記の眞名井の天女やアメノワカヒコ/アメノサグメ更には丹後半島のわらべうたに至る様々な伝承を襲ね、文体に宿し隠された言霊【コトダマ】・音霊【オトダマ】の奥の奥へと旅するもうひとつの語り物を志した。曲は竹取物語本篇に基づく十段(一〜十)を軸とするが、合間合間に、舞台裏のかぐや姫の知られざる横顔を照らしだす「月唄」という名のリトルネロ五段(以〜保)が挿し挟まれる。〽いまは昔…と衒いなく語り始める十五段、零れる言葉を響きの雲で覆い、言【コト】が音【オト】へと融けゆくうち、物語はいつしか音楽となる。
一、生ヒ立チ・・・かぐや姫の降誕
以、月唄I°
二、妻問ヒ・・・貴公子たちの求婚
呂、月唄II°
三、佛ノ御石ノ鉢・・・いしつくりの皇子の話
四、蓬莱ノ玉ノ枝・・・くらもちの皇子の話
五、火鼠ノ皮衣・・・あべの右大臣の話
六、龍ノ頸ノ玉・・・おほともの大納言の話
七、燕ノ子安貝・・・いそのかみの中納言の話
波、月唄III°
八、御狩ノ御幸・・・みかどの求婚
尓、月唄IV°
九、 天ノ羽衣・・・かぐや姫の昇天
保、月唄V°
十、不死ノ山・・・けぶりたつ富士の嶺
[委嘱]
速海ちひろ
[演奏記録]
2019年11月04日 京都市 京都堀川音楽高校ホール Fl: 森本英希 Hp: 速海ちひろ
2019年11月16日(2回)大阪府岸和田市 市役所別館玄関ロビー Fl: 森本英希 Hp: 速海ちひろ
2019年11月22日 東京都 北とぴあつつじホール Fl: 森本英希 Hp: 速海ちひろ
2021年8月9日 奈良市 秋篠音楽堂 Fl: 森本英希 Hp: 速海ちひろ
2023年3月3日 京都市 京都コンサートホール小ホール Fl: 森本英希 Hp: 速海ちひろ
2023年4月29日 京都市 北王子アイガットサロン Fl: 森本英希 Hp: 速海ちひろ